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ハト豆ねっと


おしゃべりインタビュー



ハト豆記者のおしゃべりインタビュー!

今回は、

鳩ヶ谷の救急救命士
『八谷忠厳さんと
■■柴崎美彦さん』です。


■■■急病や事故の現場に駆けつける救急のエキスパート 

■■■■■■■市民からの感謝の言葉が一番うれしい!


 救急車に同乗して、搬送中の急患に応急手当をしたり、心肺停止状態の患者に「救急救命処置」をして、人の命を救う救急救命士。
救急救命士は平成3年にできた国家資格で、救急隊に所属して、生死に関わる手当てを、走行中の救急車の中で、医師と連携しながら行う救急のエキスパート。
それだけに冷静な判断力や的確な処置、強い責任感が求められるのです。
現在、鳩ヶ谷消防署には、11人の救急救命士がいます。
「子どもがひきつけを起こした!」
「おじいちゃんが倒れた!」
119番通報で、いち早く現場に駆けつけてくれる救急隊は、市民には力強いスーパーマン!
鳩ヶ谷の人は、30人に1人が救急車を使ってるんですって!
でも最近は、タクシー代わりに救急車を呼ぶ人や緊急性がなくても119番する非常識な人が増えて、救急隊は大忙し!
24時間勤務でいつでも出動できるように待機をしなくてはならないので、救急隊はたいへんな仕事ですが、市民に感謝をされるやりがいのある仕事でもあります。
そこで鳩ヶ谷消防署を訪問して、救急救命士の八谷忠巌さん(44歳)と柴崎美彦さん(35歳)にインタビュー!星川真佐留消防長にも同席してもらって、鳩ヶ谷の救急業務の現状を聞いてみました。


左・柴崎美彦さん、右・八谷忠巌さん
左・柴崎美彦さん  右・八谷忠巌さん

ハト豆:

救急救命士になって何年ですか?

八 谷:

私は消防署に勤務して20年になります。救急救命士になって7年です。

柴 崎:

私は15年目で、救急救命士になって5年です。

ハト豆:

救急救命士の仕事は?

八 谷:

一口に言ってしまえば「救命」ということになりますが、その中でも傷病者の緊急度、重症度、特に救急隊の場合は緊急度が重要ですね。
時間との戦いかどうかの判断をしっかりして、救命に結びつける、または可能な限り、後遺症なく回復させる方向で病院に繋いであげるということです。
119番通報があれば、2、3分で出動できるように24時間体制で待機をしています。怪我でも病気でも、まず傷病者に接触するのが第一ですね。
今は観察用の資機材が発達していて、ついそれに頼りきってしまい傷病者に触れることを怠りがちですが、それでは冷や汗・冷感等の緊急度の高さを示す指標を見逃してしまいますので、まず傷病者に「触れる」ことで緊急度の初期判断をします。

ハト豆:

最近は、救命士も高度な救急処置が出来るようになったそうですね。

八 谷:

今は救命士どころか、一般市民も使えるAEDという機器があります。後は、救命士ができる処置として、点滴などの輸液ラインがとれたり、意識のない傷病者で人工呼吸をしても気道が塞がって空気を送り込めない場合に特定の器具による気道確保を行えるようになったのはかなり大きいと思います。最近は、救命士が一定の講習と実習を受けますと薬剤が使えるとか、気管まで直接、管を入れて酸素を送る「気管挿管」という処置が可能になりました。
救命士も勉強がたいへんなんですが、「すべては市民のために」という思いでがんばってます。

ハト豆:

119番通報はどのくらいあるのですか?

星川消防長
星川消防長

八 谷:

1日20回で、きかないかな。

柴 崎:

多いときで1日、30回くらいですね。

星 川:

平成17年は、2217件(過去最多)の出動がありました。

ハト豆:

その中で一番多いのは?

柴 崎:

やっぱり急病が一番多いですね。

ハト豆:

最近、タクシー代わりに救急車を呼ぶ人が多いと問題になっていますが。

柴 崎:

多いです。

八 谷:

実際に現場に行ってみて、要請内容は別にして、軽症かなという場合でも、取り敢えずは病院には運ぶんですけど、『帰りは乗っけてって貰えるんですか』と言われて、「やっぱりタクシー代わりだったのか」と思うこともあります。

ハト豆:

救急車を呼ぶほどでもない場合が多いんですね?

柴 崎:

かなり多いですね。例えば、風邪ですとか・・。

ハト豆:

子どもの場合ですか?

八 谷:

いえ、一般成人の方です。ご高齢の方の熱だと肺炎とか難しい問題もありますが・・。

ハト豆:

風邪で熱が出たから119番ですか?

八 谷:

そうです。あと、症状に限ったことではないのすが、夜間とか時間外で病院がわからないので救急車という方も多いですね。
その場合は当然行きまして搬送しますが、その中で事情がわかれば、「消防署に電話をいただければ、時間外でやっている病院をお教えしますので、次回からの参考にしてください」とお願いをしています。
でも行ってみないとわからないですからね。過去にも「具合が悪くなった」という通報で行ってみたら、心肺停止の状態だったということもありましたので、実際に見ないことにはわからないですから、そこが恐いところなんです。私たちは救急のプロですから、どんな場合でも落ち着いて冷静に対応するようにしています。

八谷忠巌さん

ハト豆:

最近は受け入れる病院がなくて、たらい回しになることも多いと聞きましたが。

八 谷:

多いです。ベッドが満床であったり、必要な科目が時間外でやっていなかったり、専門外ということであったり、他にも救急車が入って、いま手が離せないという理由が多いですね。
さいたま市とか東京都内の病院に搬送する場合もあります。

ハト豆:

病院を指定してもいいんですか?

八 谷:

特定の病気でかかりつけていれば、言っていただいた方がいいんですが、「こっちがいいから」「あっちがいいから」というだけで、それを言われてしまうと休日・夜間等の時間外では必要とする科目がない場合もあり、逆に病院収容まで時間がかかってしまうことがあります。
かかりつけでなければ、救急隊にお任せいただいたほうが早く収容できることが多いです。

星 川:

自分の希望する病院に自分のカルテがあれば、受け入れて貰えるケースもありますけどね。

柴 崎:

受け入れてくれる病院が決まってから、そう言われると本当に困ってしまうんです。

ハト豆:

119番通報のアドバイスは?

柴 崎:

必ず住所と目標をはっきり言えるようにしておくことですね。いざという時に慌ててパニック状態に陥り、自分の家の住所とか電話番号を言えなくなっちゃう人もいるんですね。
普段から名前、住所、電話番号、目標となる場所をメモしておいて、電話の前においておくといいですね。

ハト豆:

救急車が来るまでにしておくことは?

八 谷:

口頭指導もしますが、まず落ち着いて通報できるということが大切です。
特に意識がはっきりしない時に一番必要なのは仰向けに寝かせて気道確保するということですね。

ハト豆:

救命士の1日は?

八 谷:

出勤は8時30分で、翌日の8時30分までが仕事です。24時間勤務で3交替でやっています。
夜は仮眠時間というのがありますので、出動がなければ仮眠しますが、食事中でも仮眠中でも、出動指令がかかればすぐに現場に向かいます。
3人1組で出動しますので訓練も欠かせません。1人が接触すると同時に1人が関係者から聴取して、もう1人が処置の準備をするというのを同時に行わなければなりませんので、3人の連携が大切です。
一刻を争いますので、できるだけ無駄な時間を取り除かなくてはならないんです。

ハト豆:

救命士になろうと思ったきっかけは?

柴崎美彦さん

八 谷:

私の場合は、最初は消防隊をやって、それからレスキュー隊に所属していたのですが、そろそろ年で疲れてきたので(笑)、救急隊に異動しました。その時に救命士になろうと思いました。

柴 崎:

消防長がいるので言いにくいんですが(笑)、私には救命士は向かないのではないかと思ってたんです。
ですから正直なところあまり乗り気ではなかったんですけど、気持ちが変わったのは、救命士の資格を取るために6ヶ月間、全寮制の学校に入校するんですが、その時からですね。
今は救命士になって良かったと思っています。

ハト豆:

一番うれしかったときは?

八 谷:

やっぱりお礼に来てくださったときが一番うれしいですね。特に現場に行ったときに明らかに重症だなという方が社会復帰できて、後日、しっかり歩いてお礼にきてくださったときは嬉しかったですね。
手紙一通来るだけでも嬉しいです。

柴 崎:

そうですね。感謝の言葉が一番うれしいです。
直接的にやりがいを感じられる部署ですね。

星 川:

一番、身近で市民から感謝される隊かも知れないですね。
火災はなかなかそうはいきません。
「来るのが遅い」とかいろいろありますから(笑)。

ハト豆:

今までで印象に残っていることは?

八 谷:

いっぱいあるんですが、お産の現場で、私は車内で2度ほど子どもを取り上げたことがあります。
間に合わなくて車を止めて車内で出産して、吸引して子供が泣いてから病院へ搬送しました。

星 川:

年間、結構あるんじゃないかな。

柴 崎:

ありますね。

ハト豆:

毎日、緊張の連続で疲れると思うのですが、ストレスの発散方法は?

柴 崎:

やっぱり余暇ですね。これといって何もしていないんですが、休みの日は家事をやってます。子どもの顔を見ると癒されますね。

八 谷:

私は親の代から、鳩ヶ谷で剣道の指導をさせて貰ってますが、子どもに剣道の指導をするのが、ストレス発散になりますね。

消防車、救急車

ハト豆:

最後に、これだけは言っておきたいということは?

星 川:

救急車で行くと早く診て貰えるというように思っている方が多いようですが、必ずしもそうではないので誤解のないようにお願いします。
他の外来患者さんが待っている病院に軽症と判断される傷病者を救急隊が搬送しても他の患者さんと同じ対応です。
ただし、明らかに緊急度が高ければ、当然それなりの対応をしていただけます。

八 谷:

休み明けなどは病院が混むので、早く診てもらうための救急要請と思われる方もいますからね。

星 川:

これは消防本部からのお願いなんですが、いま女性の消防団員を募集しています。
鳩ヶ谷にはまだ女性団員がいないんですよ。
女性のソフトな面を活かして火災予防につなげたいと思っていますので、よろしくおねがいします。

ハト豆:

お忙しい中ありがとうございました。頑張ってください。




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