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ハト豆ねっと


素敵な宇宙船地球号



素敵な宇宙船地球号「大都会のドブ川の奇跡Vo1,2」テレビ朝日10月1日放送


埼玉県川口市・鳩ヶ谷市旧芝川
ドブ川再生プロジェクト大作戦


よみがえれ清流、帰って来〜い魚、元気に遊ぼう子供たち、市民の憩いの場

旧芝川をきれいにする、大作戦に参加しよう。


 40年前洪水対策のため新芝川が開削され、旧芝川は堰き止られた。それ以来、旧芝川は周辺から流れ込む、生活排水、工場排水などの雑排水で汚染され続けてきた。
 2005年11月テレビ朝日の宇宙船地球号の目に留まり、多くの専門家の方々の指導と協力を得て、地域住民を巻き込んでのドブ川一大再生プロジェクトが立ち上げられた。
 その後一年間の地道な活動の成果が、今年10月1日テレビ朝日の「宇宙船地球号」の番組で放映された。
 この運動が長く継続されていくことを願い、微力ではあるが、ネットを通じて、ことの重要性を訴え、多くの市民の皆さんの参加を呼びかけていきたいと考えている。
 10月1日放映後、この浄化作戦の中枢となるエキスパートの方々、そしてこれらの諸先生方が用いた秘密兵器と用法について、さらにはその効果のほどについての追跡調査を行った。
先ず、この作戦にどのような兵器を使用したか、それぞれその指導に当たられた先生方と共に紹介しよう。

1. えひめAI(エヒメアイ)、神秘の液体で排水浄化

 愛媛県工業技術センター所長の曽我部義明先生の手による秘密の液体「えひめAI(愛)」は、酵母、乳酸菌、納豆菌を主体に用いて発酵培養させた複合微生物である。微生物とは、目に見えない生き物で水の汚れなどを食べて生きている。餌を食べて大きくなると水より重くなって沈むので、その分水の上のほうはきれいに澄んでくるのである。
 しかし、なんといっても川の汚染を防ぐには、元から絶たなければ駄目というわけで、河川への雑排水の垂れ流しを止めなくてはならない。そして各家庭からの生活排水も浄化しなくてはならない。米のとぎ汁などは、そのままでは汚染源になるが、「えひめAI」をちょっと使いば浄化源に変わる。

 そこで、川をきれいにする作戦は、この秘密兵器「えひめAI」の各家庭への配布からはじまったのである。作り方もいたって簡単である。用意する材料は納豆2,3粒、ヨーグルト25gドライイースト2g 白砂糖20g 水400gを500ml のペッボトルに混入して、コタツやアンカで35度の温度で、1週間暖めるだけでよい。ちょっと舐めてみて酸っぱくなったら出来上がりである。その途中で、容器が膨らんできたらキャップを緩めガスを抜く、こうしてできた秘密の液体は環境浄化微生物に変身するのである。

2. 植生浮島、水をきれいに川に趣を添える

 次にプロジェクトチームが取り組んだのは、「川」そのものをきれいにしようという作戦である。一年前、微生物を繁殖させ川の汚れを分解してもらおうと、植物を植えた浮島を作り川面に浮かべた。
 川などの水辺に茂る植物は、それ自身が成長する過程で、川の汚濁物質を栄養源として吸収している。そのために水質は改善されることになる。
 湖沼や川に植物を植えた浮島を浮かべることによって、その根元にバクテリアが集まり、汚濁を吸収し水の透明度を改善してくれる。さらには衰退、消失していた植物群落を水底に再生させ水を浄化してくれるのである。また、こうすることによって川の景観にも趣を添えることになる。

 同時に、群馬工業高専の小島昭教授の協力で、炭素繊維を編み込んだものを水草のように川底に設置し、水質浄化を試みることになった。炭素繊維はあらゆる分野で幅広く応用されているが、環境汚染が叫ばれているなか、水質浄化への利用が高まってきている。一つは、汚濁の濾過による水質浄化と、もう一つは、炭素繊維に付着する大量の微生物の住かとなり、川をきれいにしてくれるということである。
 炭素繊維のマット90枚に、これまた川口の鋳物工場の協力で重り300個を取り付け水門近くの左側30メートルにわたって敷設した。こうしてドブ川再生プロジェクトは着々と進められていった。

3. ワンド、魚たちの住処を、子供たちに遊び場をつくる

 ワンドとは、入り江とか川のよどみのことで、河川の側岸に沿って 人工的に水の流れを緩和したり、流れの向きを変えたりして、魚などが生息できるように作られたところをいうが、なんといってもこの場所が子供たちと魚たちとが、ふれ合い遊ぶことができる格好の場所になるということである。
 埼玉県もワンド造りには、積極的に取り組むことを約束してくれたと聞いている。
またこれには、河川のなかの生態系の専門家である自然共生研究センターの萱場祐一センター長が岐阜県の各務原市からわざわざお出でいただき、旧芝川の生き物を調べてもらったところウナギが見つかり、水質がもっとよくなれば海からの経路を通って、いろいろな生き物が上ってくることが分かった。



4. 土壌改良、マッドキラーでヘドロを改良植生する

 ワンドを造る過程のなかで、いよいよヘドロ大作戦が始まった。これには、神奈川県厚木市にあるフジタ技術センターの島田義彦主任研究員の絶大な協力を得て、重機によるヘドロの掘り起こし、そこへ450トンの土質改良剤マッドキラーを投入して土壌の改良を行ったのである。
 マッドキラーとは、紙の製造過程で発生する焼却灰を再製成した高吸水、無害の土質改良剤ということである。これをヘドロと混ぜ合わせることによって、瞬時に泥土を改良し、植生も可能な固さとなり、環境にもやさしい優れものの土壌改良剤である。
 土壌が改良されてできた川の岸辺で大勢の子供たちを中心に地域住民の参加で「よし」の植生を行った。「よし」をはじめ「がま」や「フトイ」などは自身が成長するときの栄養源として川の汚濁物質を吸収して水質を改善する働きをするという。こうして旧芝川を再生させるためのプロジェクト大作戦は最終段階へと突き進んでいった。



 あとは人の手による人海作戦である。このようにして心ある人々の協同参加によって、ヘドロで埋まった旧芝川を甦生させるための重厚なプロジェクト大作戦は、それぞれの道の専門家の方々の指導とご厚意により、また、地域住民の参加によって、一定の成果をあげることができた。しかし、この運動はまだ始まったばかり、手がけた場所もほんの僅かな区域のみである。 むしろこれからが正念場である。
 旧芝川再生プロジェクトの実験場の堤は桜並木のある憩いの場でもある。川面に美しく映えるまでには、まだ時間がかかるだろうが、澄んだ水、生き物と戯れる子供たちの姿、緑が茂る来年の春には、そんな風景も見られることを楽しみに、大いに盛り上げていきたいと考えている。





(指導、鳩ヶ谷パソコン研究会講師、村岡、文責、白石)




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