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ハト豆ねっと


特別寄稿

写真屋さんが見た近ごろの七五三



鳩ヶ谷フォトスタジオ 花岡 巌

鏡の前で笑顔の練習をしていた我が娘

 

 昨年の秋、私の娘が七歳のお祝いをしました。待ちに待った七五三。写真を仕事と

している私としても、娘の晴れ姿を自分のスタジオで撮影出来たことは、このうえの

無い喜び。物心付いた時から撮影のために訪れる着飾ったお客さんを眺めていた娘

にとっても、それは心待ちにしていたこと。どんな表情でカメラに収まるか、鏡を見な

がら一生懸命練習をしていた。そして当日。ファインダー越しに見る成長した娘の姿

を見て、、、「やっぱ目もとがはっきりしていないし、写真映えしないよな〜」と冷静に

思う私だった。娘は一生懸命に笑って表情を作ろうとしてくれるのだけど、「アンパン

を潰したようなクシャクシャの笑顔じゃダメなんだよな〜」とカメラの前ではあくまでも

客観的な私。でもね、一生懸命にカメラを見つめてくれる君は誰よりも素敵だし愛お

しい。その健気さが引き立つように、一番可愛い瞬間にシャッターを切ってあげたい

と心から思う。

 

親にとっては人生の折返し地点

 

 38歳という年齢を迎え、ここ数年は七五三の撮影でご来店する親御さんと年齢的

に大体同じくらい。娘の幼稚園の友達や、小学校の同級生が撮影のために来店して

くれる。自分が七五三という行事を経験して思ったこと。それは、七五三という行事が

家族の全員にとって、それが一つの人生の節目であるということ。特に、子供にとって

よりも、私達、親にとって、さらに上の祖父母にとって人生の節目なんだということ。

大雑把に言うと、人生80年〜90年。その中間、折り返し地点の私と嫁は目の前に

迫った40代という未踏の秘境を前に戸惑いすらあります。両親にとっては、そんな状

況で迎える七五三。かなり強引な言い方ですが、七五三とは、その両親にとっては

40代という本当の大人(オジサン、オバサン)の仲間入りをするための儀式ではない

だろうか。とういうことで、もっと責任のある、大人になりたいと思う今日この頃。

 

三世代や親戚が集まる良い機会

 

 私のは母は早くに亡くなってしまったが、子供が七五三を迎える頃というのは、親御

さんも若く、子育てにも慣れてきて、少しづつ余裕が出て来る頃。お爺ちゃん、お婆ちゃ

んも元気で、三世代揃って記念写真を撮る絶好の機会だと思う。なんと言っても、歴

史と権威のある七五三という大儀のもと、親戚が集まるとっても良い機会。

もちろん、子供の写真は可愛くてかけがえの無いものだけど、お爺ちゃんとお婆ちゃ

んと、ご家族お揃いで写真を撮ることが絶対にお勧め。後々、それはかけがえの無い

ものとなるはずだから。

 

 そして我が家の七五三。みんなで記念写真を撮った後、義理の母が呟くように「イ

クちゃん(私の娘)の成人式の振りそで姿は見ることが出来るのかなあ〜」という冗

談まじりの一言。それは来年の桜は見ることが出来るのだろうか的に、喜びに浮かれ

ている中で、ちょっとだけ切ない感じがした。




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